【注目選手】WBC世界スーパーミドル級暫定王者、無敗の”メキシカン・モンスター” デビッド・べナビデスとは?

デビッド・べナビデスとは?
スーパーミドル級統一王者サウル・アルバレスとの対戦は?

デビッド・べナビデスは、身長188cm、リーチ199cmで、体格を生かして相手にプレッシャーをかけながら上下にパンチを打ち分け対戦者の体力を削って追い込む戦法をとる選手で、アマ、プロ通して負けたことがありません。2017年9月、WBCスーパーミドル級王座をプロ19戦目、20歳で獲得しました。ドーピング問題、ウェイトオーバーなどでタイトル失うこともありましたが、2022年5月21日、WBCスーパーミドル級暫定王座を獲得し、2度の防衛に成功しています。スーパーミドル級においても恵まれたといっていい体格と常に前進するファイトスタイルで、フィジカルの強さと負けん気の強さで打ち合いを得意としている選手です。また、オフェンス能力に注目しがちですが、ディフェンス面においても、固いブロッキングとスウェーでパンチをはずす技術もあり、致命的なパンチをもらうことは、今のところ、ほとんどありません。

WBCを含むスーパーミドル級4団体統一王者は現在、サウル・アルバレスです。アルバレスは、体格面で不利な状況を何度も克服して勝利をつかんできた選手ですが、デビッド・べナビデスの体格面のアドバンテージとパンチングパワーはアルバレスにとって脅威となるように思います。

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デビッド・べナビデスのプロフィール

生年月日
プロデビュー
1996.12.17
2013.8.17(1RKO勝利)
出身地米国アリゾナ州フェニックス
身長・リーチ188cm・199cm
スタイル右ボクサーファイター
アマ戦績
プロ戦績
15戦全勝
28戦全勝(24KO)
実績元WBCスーパーミドル級王者
(2017.9.8獲得・1度防衛)
元WBCスーパーミドル級王者
(2019.9.28獲得・2020年8月体重超過で剥奪)
WBCスーパーミドル級暫定王者
(2022.5.21獲得・2度防衛)

過去の試合

2017年9月8日
WBC・Sミドル級王座決定戦
VS ロナルド・ガブリル
12R判定2-1

ロナルド・ガブリルは身長188cm、リーチ184cm、当時の戦績は18勝(14KO)1敗、世界ランキング6位でした。体格データではべナビデスと大差はないのですが、べナビデスの方が足が長くベルトラインの位置がかなり高く、ガードしたときのひじの先が先がベルトラインに達していました。ガブリルからすると、ボディへの攻撃がひじでブロックされて打ち辛く感じていたのではないかと思います。それでもガブリルは、プレスをかけられて後退していたものの、しっかりとフットワークを使い、べナビデスの強打をまともにもらわないようにブロックを高くして、ボディ、顔面へパンチを打ち返していました。9ラウンドまで大きな動きはありませんでしたが、ポイントではべナビデスが優勢であったように思います。10ラウンドに入ると、べナビデスが攻勢にでますが、ガードが下がり危うさを感じました。11ラウンド、べナビデスの左ボディでガブリルの動きが明らかに悪くなりましたが、ガブリルは何とか耐え、12ラウンド、べナビデスが再び、ボディを攻めたところにガブリルの左フックを被弾してダウン。ダメージはなくすぐに立ち上がり、そのまま判定となりました。
この試合をみて、べナビデスの長所は、パンチ力の強さモーションがない右ストレート遠いところから届くボディへの左フックです。長い腕によるブロッキングを中心としたディフェンス技術が高いところです。短所は、フットワークが遅いこと、攻撃の際にガードが下がることです。この試合では10ラウンドあたりから、ガードが低いまま、相手の射程圏内で攻撃していました。

2019年9月28日
WBC・Sミドル級タイトルマッチ
VS 王者 アンソニー・ディレル
9RTKO

正規王者アンソニー・ディレルは身長188cm、リーチ189cm、当時の戦績は33勝(24KO)1敗1分でした。身長は同じであるはずなのに、べナビデスの方が大きく見えます。この試合でも、べナビデスの戦い方は2017年の試合と同じように相手にプレスをかけて、前進し強いパンチを打っています。リーチを生かした距離ではなく、相手のパンチも届くところまで接近していって、フック、アッパーを多く使っているシーンが多くありましたが、顔面のガードはやはり下がるところがありました。相手とのパンチ力の差がかなりあり、べナビデスの攻勢にディレルが防戦にまわっていたこともあり、不用意なパンチをもらうことはありませんでしたが、やはり、攻勢にでているときのディフェンスが甘くなるところに変わりはありません。特に左ボディブローを打つときに右のガードが下がるところがあります。7ラウンドあたりからべナビデス優勢のほぼ一方的な展開となり、ディレルの右目上のカットの傷も深くなってきた8ラウンド終了間際にはべナビデスが攻勢をしかけ、ディレルのバランスが不安定になりました。9ラウンド開始早々、べナビデスの一方的な攻勢に、見かねたセコンドが試合ストップを要求しました。
べナビデスの強さだけが目立った試合になりました。2017年にタイトルをとった試合で見せた防御姿勢をとらずに雑に攻めるシーンはありませんでした。
この試合ではもうひとつ気になるところがありました。べナビデスがトランクスを引き上げる動きをよく見せていたことです。この動作はボディにダメージを感じた選手がよくやる動作です。べナビデスは、ボディのガードが固く、執拗にボディを攻められたことがないように思います。ボディに弱点があるような気がしました。

2022年5月21日
WBC・Sミドル級暫定王座決定戦
VS デイビッド・レミュー
3RTKO

デイビッド・レミューは、元IBFミドル級王者で、ゴロフキンと対戦経験をもつカナダ人ボクサーです。当時戦績は43戦(36KO)4敗でした。身長177cm、リーチ178cmと体格ではべナビデスが圧倒的に大きく、パンチ力の差も明らかでした。レミューが上回っている点は、キャリアの豊富さでした。初回はレミューの戦い方は悪くはない滑り出しでした。ガードをしっかり固めて姿勢を低くボディを攻めて、接近した時に顔面にフックを返していました。ただし、1ラウンド終盤にべナビデスの左フックを顔面にもらったレミューが棒立ちになったあとにダウン。立ち上がってゴングに救われましたが、ダメージが明らかでした。2ラウンドにも右フックから左アッパーを顔面に受けてレミューがロープの外まで吹っ飛んでダウン。レミューは、またも、立ち上がり試合続行となりましたが、左目付近から出血し、3ラウンドにべナビデスの攻勢にレフリーが試合を止めました。レミューは根性で反撃しましたが、べナビデスとのパンチ力の差はいかんともしがたい差がありました。ただ、レミューの戦い方は、べナビデス攻略のヒントになるものでした。